18世紀 フランスのロココ期の画家でロココ様式を代表する画家アントワーヌ・ヴァトーの作品「ヴェネツィアの祝宴」です。
当初、本作品の題名は「舞踏会」「ヴェネツィアの舞踏会」とされていましたが、特にヴェネツィアの様子が描かれている訳ではありません。
また、ヴァトー自身もヴェネツィアには訪れていないと思われます。
当時、オペラ・バレエで上演され人気を得ていた「ヴェネツィアの祝宴」という舞台から着想を得て描かれた作品と考えられています。
作品 ヴェネツィアの祝宴
画面中央では、女性が東洋風の服装の男性にダンスを始めようと挨拶をしている様子が描かれ、周りには各々に会話を楽しむ男女が描かれています。
「ヴェネツィアの祝宴」
(1719年)
本作品は、書き直した箇所がそのまま残されている珍しい作品です。
東洋風の服の男性の足が書き直され、両足の間隔が広げられているが分かります。当初は、痩せた体格で描かれていたようです。
また、女性の方は、ドレスはもっと長かったようで、白いドレスの上から緑が塗り直されているのがわかります。
ヴァトーは本作品に自身を描き入れていると言われており、右端でバクパイプを吹いている男性がヴァトーと考えられています。
ダンスの相手に挨拶している女性の後ろには扇子をもって座っている女性が描かれています。
ヴァトーの代表作である「シテール島の巡礼」にも扇子をもって少し違ったポーズの女性が描かれています。
「シテール島の巡礼」
(1717年)
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