18世紀のロココ期のイギリス人画家ジョシュア・レノルズが伯爵家から娘の肖像画の注文を受けて制作した作品「キャロライン・ハワード嬢の肖像」です。
描かれている少女はイザベラ・キャロラインという名で当時7歳だったことが分かっています。
ジョシュア・レノルズは、当時創設されたばかりのイギリスのロイヤル・アカデミーの初代会長を務め、当時はまだ後進的とされたイギリスの絵画や画家たちの発展に努めています。
レノルズは、基本的にラファエロなどの古典絵画を規範としており保守的な作品が多い一方で、子供達の肖像画を多く描いており、子供達の自然な表情や様子が描かれているとの評価を受けています。
作品 キャロライン・ハワード嬢の肖像
伯爵家から娘の肖像画の注文を受けて制作された作品で、少女の服装などからも貴族の子息であることがすぐに分かります。
「キャロライン・ハワード嬢の肖像」
(1778年)
少女の名はイザベラ・キャロラインという名前で、伯爵家の娘でしたが意思が強く、勝気な性格だったと記録されています。
肖像画が描かれた当時は7歳でしたが、服装から少し大人びたようにも見えます。
どこかかたい表情や握られた左手は、肖像画のためにポーズをしている少女の緊張を表しているようです。
レノルズは、少女で三角形を構成しており、ラファエロ・サンティなどの古典絵画の構成を踏襲しているのが分かります。
また、少女のからだの傾きは画面の対角線上に沿って描いており、画面構成で鑑賞者に安心感を与えています。
肖像画の少女イザベラ・キャロラインは成長して、男爵と結婚していますが大人となった彼女の肖像画も別の画家によって描かれています。
「コーダー男爵夫人イザベラ・キャロライン」(ウィリアム・ビーチー)
(1800年頃)
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