ディエゴ・ベラスケスは、17世紀のスペイン宮廷画家で、スペイン絵画の黄金期を代表する画家です。
エドゥアール・マネに「画家の中の画家」と賞賛されています。
ベラスケスの代表作の一つ「ブレダの開城」は、スペインとオランダの間の戦いでスペインが勝利し、要塞の鍵をオランダ側からスペイン側が受け取る場面が描かれています。
作品:ブレダの開城
「ブレダの開城」
(1634-1635年)
左側にオランダ軍、右にスペイン軍を描いています。
ベラスケスは、作品に描かれているスペイン軍の将軍スピラノと知り合いだったため、当時の様子を聞いたうえで、事実に基づいて作品を描いたとされています。
オランダは、川をせき止めて平原を水浸しにする戦法でしたが、対するスペインは壕をほり流れ込む水を逆流させました。
作品の奥に、水浸しのなか煙を上げている要塞の様子が描かれています。
敗れたオランダ軍の将軍がブレダ要塞の鍵をスペイン軍の将軍に渡すところが描かれていますが、スペインの将軍は馬から降り、敗軍の将をねぎらっています。
スペイン軍将軍スピラノと交友があったベラスケスは、スピラノ賞賛のため本作品を描いたとも言われています。
槍と本人
多くの長槍が描かれていますが、最初は軍旗が描かれていたことが科学的調査で判明しています。
軍旗から槍に書き換えたことで、人物に焦点が移り、数名の人物の表情がはっきり描かれています。
表情は、戦闘が終わり安堵しているようにも感じられます。
また、槍を柵のようにみせ、煙が上がる戦場と前景を柵で分けて柵のこちら側は安全となったことを表現したとも言われています。
右端に描かれている人物はベラスケス本人との説もあります。
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