ジョルジュ・スーラとともに新印象派と呼ばれる点描絵画を確立させたポール・シニャックの作品「日曜日」です。
非常に細かい点描により、精密に二人の人物のほか室内を描写しています。
点描は、色と色が混ざり合うのを防ぐ目的がありそれぞれは原色に近い点となっていますが、点の集まりによって色彩の変化を表現しています。
本作品「日曜日」においても窓からの陽が人物や室内にあたる様子や影などが点描により良く表現されています。
作品 日曜日
本作品は、点描による描写で非常に精密に描かれた作品と言えます。
「日曜日」
(1888‐1890年)
女性がカーテンを開けることによって、室内に入り込んだ陽による影などが点描により描かれています。
暖炉に薪をくべる男性の背には陽があたり明るく描かれています。
画面は、窓のある左側は暖色をメインに明るく描き、右側は寒色で暗く描いており対比しているようです。
登場人物の服装も同様な色彩で対比しています。
シニャックは、本作品で上流階級の夫婦の様子を描いていますが、二人の関係はどこかお互いに無関心な印象を受けます。
対角線上にある男性の背中が、二人を隔てているような描写で二人の関係性を表しているように感じます。
似たような作品「朝食」でも同様の印象を受けるため、シニャックは上流階級の家庭における家族の関係性も表現しようとしていたのかもしれません。
「朝食」
(1886‐1887年)
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