盛期ルネサンス期の巨匠の一人、ラファエロ・サンティの作品で、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の影響を受けた作品とされています。
また、本作品はラファエロの師であるペルジーノの作品であると誤認され題名も「アレクサンドリアの聖カタリナ」とされていました。
本作品は1934年から1936年にかけて行われた修復までは、匿名の画家に加筆された状態で一角獣も上書きされたうえ聖カタリアの象徴である車輪の一部が描かれていました。
修復により厚く塗られた絵の具が除去され一角獣が現れましたが、一角獣の前は犬が描かれていたことが分かっています。
作品 一角獣を抱く貴婦人
本作品は1503年から1506年に制作され、ラファエロのフィレンッエ時代の作品と考えられています。
「一角獣を抱く貴婦人」
(1503~1506年頃)
本作品は保存状態が悪かったらしくそれを覆い隠すために匿名の画家により加筆され、女性の肩にはマントが掛けられ、一角獣は聖カタリナの象徴である車輪とナツメヤシの葉に上書きされました。
1934年からの修復で現れた一角獣は中世では純潔の象徴であり、処女のみが捕まえることが出来るとされていることからモデルの女性は結婚前と考えられます。
もともと犬が描かれていたものが一角獣に変えられたことがX線調査で分かっています。
「モナ・リザ」の影響
本作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の影響を大きく受けていると言われています。
女性は「モナ・リザ」と同様4分の3正面像で描かれており、女性の背後にも欄干が描かれています。
「モナ・リザ」では両端が見切れており円柱が見えませんが基台が見えており、ラファエロが「モナ・リザ」を参考に背景を描いていることが分かります。
同じポーズの女性と欄干と円柱を描き込んでいることから「モナ・リザ」を参考にしていることが明らかです。
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