初期ルネサンス期に活躍した、画家で修道士のフラ・アンジェリコの作品です。
フラ・アンジェリコという呼び名はあだ名で「天使のような修道士」(フラ(修道士)・アンジェリコ(天使のような人物))という意味です。
彼の人柄と画風からついたあだ名だと言われています。
彼の活躍した時代は、ちょうど中世からルネサンスへの過渡期で、本作品には新たに考案された遠近法などが取り入れられています。
遠近法の表現
「受胎告知」
(1440-1445年)
当時の最新技術であった、遠近法により建物の奥行きが自然に表現されています。
鑑賞者の視線が部屋の奥の小さな窓に集まるように描かれています。
二人の間には、柱が意図的に描かれています。二人を分離しているように見せる効果と結びつける効果の両方を合わせ持っています。
聖母マリアのポーズ
聖母マリアは、両腕を体の前で交差させています。
これは、マリアが運命を受け入れたことを表現していると言われ、「謙譲の聖母」と言われています。
他3点の受胎告知
フラ・アンジェリコは、サンマルコ美術館の作品の他に3点の受胎告知を制作しています。
「受胎告知」
(1425年)
「受胎告知」
(1433-1434年)
「受胎告知」
(1430年)
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