エドゥアール・マネのメキシコ皇帝マキシミリアンが処刑された事件を題材にした作品です。
フランシスコ・デ・ゴヤの「マドリード、1808年5月3日」から着想を得て制作された作品とされています。
また、マネのフランス皇帝ナポレオン3世への批判を表現した作品と言われています。
作品:皇帝マキシミリアンの処刑
「皇帝マキシミリアンの処刑」
(1869年)
フランスは、ハプスブルク家でオーストリア皇帝の弟マクシミリアンをメキシコ皇帝として即位させていましたが、現地の抵抗に合いフランスは撤退します。
後ろ盾のフランス軍が撤退してしまい、皇帝のマクシミリアンは逮捕され、処刑されてしまいます。
マネは、この事件を題材に作品を制作。当時のフランス皇帝ナポレオン3世への批判の意図が込められていると言われています。
処刑している兵士たちの軍服がフランス軍の軍服で描かれています。
実際に処刑を実行したのはメキシコ軍ですが、マネは、責任はフランスにあると表現しています。
試作の2作品
マネは、本作品制作にあたり試作を2作制作しています。
ボストン美術館所蔵の試作の作品では、兵士たちはメキシコ軍の軍服で描かれています。
「皇帝マキシミリアンの処刑」
(1868年)
もう1点の試作は、マネの死後、ばらばらにされ切り売りされてしまいましたが、エドガー・ドガが大部分を復元しました。
「皇帝マキシミリアンの処刑」
(1867-1868年)
参考とした作品「マドリード、1808年5月3日」
「マドリード、1808年5月3日」
(1814年)
フランス軍がスペインに侵攻し、抵抗するマドリード市民を銃殺する場面をスペイン画家、フランシスコ・デ・ゴヤが描いた作品です。
マネは、この作品から着想を得て「皇帝マキシミリアンの処刑」を制作したとされています。
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