写実主義の画家で社会主義に傾倒したいたギュスターヴ・クールベの作品です。
1849年に制作され、翌年のサロンに出品され当時の社会主義者や知識層から賞賛されました。
作品自体は第二次世界大戦中の1945年ドレスデンへの爆撃で焼失していまい、現在は写真のみが残っています。
当時は、社会主義思想がうまれ、貧困や格差などについて考えられはじめた時期で、クールベは当時の労働者の状況をありのまま描きました。
作品:石割り人夫
カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが「共産党宣言」が発表された翌年の1849年に制作された作品です。
クールベが故郷のオルナン地方の小さな村を家族と一緒に通りがかった際に見た労働者の姿を描いたと言われています。(労働者にモデルを頼んで描いたとも言われています。)
「石割り人夫」
(1849年)
2人の労働者は左側の若者と右側の年配の男性で対比されています。
着ている衣類は破れたりしておりとても粗末なもので、当時の労働者たちの生活の苦しさがありのまま表現されているとされています。
本作品はサロンに出品され、歴史画や貴族の肖像画などが多かった当時のサロンに衝撃をあたえました。
クールベは民衆の日常の生活をありのまま描くという写実主義の潮流をつくり、社会に関わっていくという近代絵画の思想を創出したと言われています。
対角線を利用した作品構図
この作品は当時の労働者の苦境を描いた作品ですが、構図的には鑑賞者の視点が対角線を添うような動線となるよう制作されているようです。
人物の動きや物の配置は全て斜めの視点上に配置されており、作品の構図は整然とされ、とてもまっている印象を与えています。
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