ヨハネス・フェルメールの代表作でフェルメール作品では日本で最も有名な作品「真珠の耳飾りの少女」。
暗闇のなかで鑑賞者へ振り向く少女が描かれていますが、実際には背景にカーテンが描かれていたことが判明しています。
また、少女のモデルはフェルメールの娘や妻、まったくの創作などいろいろな説がありますが、判明はしていません。
不思議な少女の表情
「真珠の耳飾りの少女」
(1665-1666年)
目に入れられたハイライト
作者のフェルメールは、「光の魔術師」と呼ばれ、光の描写に優れた画家という評価をされています。
この少女の目の光の反射は、意識的に本来の反射から少しずれたところに、ハイライトが入れられてます。
少女の表情に不確定な印象を与え、見る人によって、印象が変わるように感じます。
どちらともとれる口元
次に口元ですが、ニコリともとれるし、悲しげともとれる描写です、また、何かを言いたそうにも見えます。
印象は見る人、見る時で変わるように表現されています。
耳飾り
この作品の題名にもなっている真珠の耳飾りですが、光の反射が、目の光の反射と同様、不自然です。
不確定的な少女の表情に対して、耳飾りに光を反射させ「不確定」と「確定」を対比、少女の表情を際立たせている印象を与えます。
ターバンと服装
ぼんやりした背景に、フェルメールブルーと言われるフェルメール作品の特徴でもある鮮やかな青色のターバンに、目を引き付けられます。
また、服装もヨーロッパ風ではない、東洋的なものとなっており、少女に不思議なイメージを与えています。
背景にはエメラルド色のカーテン
2020年の科学調査で
- 背景にはエメラルド色のカーテンが描かれていたが、時間経過とともに色褪せてしまったこと。
- 肉眼では見えない小さなまつ毛が目の周りに、描かれていること。
- 真珠の耳飾りの輪郭は描かれておらず、フックも無い。
が発見され、公表されました。背景のカーテンが残っていれば、かなり印象が変わっていました。
所蔵:マウリッツハイス美術館(オランダ,ハーグ)
所蔵先の美術館はオランダ、ハーグにあるマウリッツハイス王立美術館です。
電車でスキポール空港からだと約30分、アムステルダムからだと約50分です。
フェルメールの作品が他に2点、所蔵されています。
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