19世紀のフランス人画家で、印象派の画家たちと親交を深めたアンリ・ファンタン=ラトゥールが友人たちの印象派の画家たちを描いた作品です。
印象派の画家たちと親交を深めたラトゥールですが、自身は写実主義の作品を描き特に花を描いた作品は人気を得ていたようです。
本作品「バティニョールのアトリエ」は古典的な画風でマネを中心に印象派の画家たちを描き、サロンに出品しました。
サロンに批判的な印象派達の描写をサロンに出品し評判を得たいようです。
「自画像」(アンリ・ファンタン=ラトゥール)
(1859年)
作品 バティニョールのアトリエ
本作品「バティニョールのアトリエ」はアンリ・ファンタン=ラトゥールの最も有名な作品です。
エドゥアール・マネを中心に集まる当時、革新的な試みをしていた印象派の画家達を写実的な画法で描き、印象派達が批判していたサロンへ出品し評判を得ました。
「バティニョールのアトリエ」
(1870年)
中央で筆を持ってカンバスに向かっているのがマネです。本作品の題名はマネがアトリエをパリのパティニョールに持っていたことから来ています。
本作品は、実際の様子を描いたものではありませんが、実際にマネの革新的な作品に魅せられた若い画家たちがマネのパティニョールのアトリエに集まっていたようです。
彼らはパティニョール派と呼ばれ後に印象派となっていきます。
作品中の印象派の画家達
本作品には後に印象派の有名画家となる3名の画家が描かれています。
作品中の右の一番背が高い男性はフレディリック・バジールです。ラトゥールとは一番親交があったようで、作品の左側に机の上に描かれた黒い壺はバジールの作品にも登場しています。
バジールの後ろでこちらに視線を向けているのがクロード・モネです。
マネの後ろからカンバスを見ている帽子を被った男性はピエール=オーギュスト・ルノワールです。
マネへの敬意の表現として、ジャケットやネクタイをするなどして描かれています。
作品中の登場人物がお互い誰とも視線があっていないところから、各個人の美術への方向性や思想がそれぞれ違うことを表しているという説があります。
一方で、作品中の左側のテーブルの上には知恵と芸術を司る女神ミネルヴァとジャポニズムの影響とみれる七宝の壺がおかれており、当時の彼らの方向性や受けた美術的影響を示しているとも言われています。
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