19世紀、その後の画壇に大きな影響を与え、時にはスキャンダルにもなった作品を多く制作し、印象派の画家達に影響を与えたエドゥアール・マネが自身の弟子を描いた「エヴァ・ゴンザレスの肖像」です。
多くの画家たちに影響を与えていたマネですが、自身の弟子をとることをしていませんでしたが、画家仲間から紹介された女流画家エヴァ・ゴンザレスを弟子として迎えいれました。
エヴァ・ゴンザレスは、当時20歳で活発な性格でマネを魅了したと言われています。
同じ時期にマネを慕って作品のモデルを務めつつ、教えをこうていたベルト・モリゾですが、エヴァに対してとても嫉妬していた手紙がのこっています。
作品 エヴァ・ゴンザレスの肖像
本作品はマネが自身の唯一の弟子であるエヴァ・ゴンザレスを描いた作品で、サロンへも出品しています。
「エヴァ・ゴンザレスの肖像」
(1869‐1870年)
花と花瓶の作品を制作途中でエヴァの視線はキャンパスではなく、描いている花と花瓶に向けられていると思われます。
作品中で多くの面を占めているエヴァの白く美しいドレスのスカート部分ですが、布の流れるような線はが筆跡を利用して描写され、作品中でも一番に目が惹かれる箇所です。
美しいスカートの描写とは対照的に、床は散らかっており作品の対象物としては余分だったのか花も捨てられているようです。
本作品はサロンに出品されていますが、評価は得られなかったようです。
同時代にマネを慕っていたベルト・モリゾですが、マネが作品を制作中のモリゾを描いたことはありません。
本作品でマネがエヴァが画家として描かれていることにモリゾは非常にショックをうけ、自分がマネにモデルととしか見られていないと自身の姉への手紙で述べています。
「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」
(1872年)
マネとエヴァ、モリゾの関係が男女の関係だったかどうかは不明ですが、エヴァは版画家とモリゾはマネの弟と結婚しています。
コメント