エドガー・ドガ 「オペラ座のバレエ」

絵画

バレエの踊り子や楽屋の様子を好んで描いたエドガー・ドガの作品「オペラ座のバレエ」です。

上流階級出身のドガはオペラ座の会員でもあり、楽屋にも入ることが出来たことから舞台上の様子よりも稽古中の踊り子の様子を描いた作品が多くなっています。

また、作品の完成が油絵よりも早いパステル画を多く制作しており、本作品もパステル画となっています。

ドガがパステル画を多く制作した理由として、父親が銀行家でしたが、父の死後に父の大きな負債が発覚したことや、兄の事業の失敗などから、ドガは作品を多く制作、販売しなければならなくなり、完成が早いパステル画を多く制作したと言われています。

作品 オペラ座のバレエ

舞台上でのバレエの踊り子達と画面下にオーケストラの男性達の頭半分が描くという、大胆な画面構成は浮世絵の影響と思われる作品です。

オペラ座のバレエ
1877年

1877年
エドガー・ドガ
「オペラ座のバレエ」
シカゴ美術館蔵(アメリカ シカゴ)

画面下で頭部を半分のみ描くという描写は今までの西洋画ではない描写で、日本の浮世絵の構成によくみられる描写です。

本作品は、バレエの踊り子達が主役となっていますが、オーケストラを主役にした作品も制作しています。

(参考)「オペラ座のオーケストラ」(エドガー・ドガ
1870年

1870年
エドガー・ドガ
「オペラ座のオーケストラ」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

本作品では、オーケストラの男性達の描写は特異な配置となっていますが、バレエの踊り子達の端を配置して、画面を左右に分け、踊り子達がそれぞれが三角形を構成するような描写で画面に安定感を与えています。

本作品の踊り子たちの髪型が自由なことから、本作品はリハーサル中の踊り子達を描いているようです。

事情がありパステル画を多く制作したドガですが、白く特徴的な衣装の踊り子たちの描写には適していたとも言われています。

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