印象派の創設時からのメンバーでバレエの踊り子の作品を多数制作したエドガー・ドガの作品「ダンス教室」です。
裕福な家庭の出身のドガは、オペラ座の会員として踊り子の楽屋や稽古場へ入ることができ、多くの作品が稽古中など準備中の踊り子を描いています。
本作品もそううちの一つで、バイオリンを弾きながら指導している教師と、稽古している踊り子、その周りでおもいおもいの事をしている踊り子たちが描かれています。
作品 ダンス教室
ドガはバレエの踊り子の稽古中の様子や楽屋で休憩している様子などを多く描いています。本作はバレエの指導者に指導を受けている踊り子、その周りで順番待ちや練習などしている踊り子たちを描いています。
「ダンス教室」
(1871年)
中央に描かれた鏡により画面構成が左右に分けられるとともに、教師と踊り子の立場を明確にしています。
画面右側は、大きく空いたスペースと動きのある踊り子たちがえがかれています。左側は、スペースは無く踊り子たちの描写には動きがありません。
右側へ鑑賞者の視線を誘導するため、床の板の模様や床に置かれたバイオリンのケース、ピアノや鏡のふちを利用した構図となっています。
本作品のようにドガの作品には大きくスペースを空けた構図の作品が多くあり、当時流行していてドガも愛好家だった日本の浮世絵の構図の影響とも言われています。
「バーで練習する踊り子たち」
(1877年)
「踊りの稽古場にて」
(1884年)
踊り子たちの舞台裏や稽古の様子を多く描いたドガには、指導者がバレエの踊り子たちを指導している様子を描いた同じ題材で同じ題名の作品があります。
「ダンス教室(バレエのレッスン)」
(1874年)
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