印象派の創設からのメンバーで、印象派展の開催などにも尽力したエドガー・ドガの作品「バーで練習する踊り子たち」です。
「バーにつかまる踊り子たち」とも呼ばれています。
基本的に戸外で作品制作を行い光の描写を重視する印象派の画家達ですが、ドガは普仏戦争に従軍した際に目の病を患ったこともあり、戸内で作品を制作しています。
ドガ自身は自分は印象主義ではなく写実主義の画家だと言っていたようです。
また、上流階級出身であったドガはオペラ座の会員にもなっており、バレエの踊り子の練習場にも入ることが許されており、バレエの踊り子の作品を多く制作しています。
本作品もバレエの踊り子の練習の様子を描いた作品ですが、画面構成は西洋絵画では非常に珍しい構成となっています。
作品 バーで練習する踊り子たち
エドガー・ドガが多く描いたバレエの踊り子たちの練習風景の作品の一つですが、構成は西洋絵画には無い構成となっています。
「バーで練習する踊り子たち」
(1877年)
画面を床と壁で二分割したような構成で、二人の踊り子は画面の右上に描かれています。
画面下半分は床のみの描写となっています。
また、対角線左下も壁と床のみのような構成です。
ドガは、日本の浮世絵の愛好家でもあったことから、このような大胆な画面構成は浮世絵の影響と考えられます。
対角線左下に唯一、ジョウロを描いていますが、その注ぎ口の先に自身の署名をいれており、さりげなく鑑賞者の視線を誘導しています。
踊り子二人の描写も黄色系の配色に合わせ、リボンや髪色は黄色系の配色としています。
踊り子のドレス以外は、画面全体を茶や黄色と同系色にて配色しており、主題を大胆な画面構成としている事が分かります。
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