エドガー・ドガ　「リハーサル」

印象派を代表する画家であり、印象派の創設から関わったエドガー・ドガの作品「リハーサル」です。

バレエの踊り子の作品の印象が強いエドガー・ドガですが、本作品も稽古場の踊り子たちの様子を描いた作品です。

上流階級出身でオペラ座の会員でもあったドガは、オペラ座の裏方へも入ることが出来たため、表舞台の踊り子達よりも裏方での踊り子達の様子を多く描いています。

また、日本の浮世絵の愛好家であったドガは、浮世絵の構図などを参考にした作品も制作、本作品にも画面前面に螺旋階段を配置するなど浮世絵の影響が伺えます。

作品　リハーサル

本作品は、バレエの踊り子を多く描いたうえ、浮世絵の構図も取り入れたエドガー・ドガの特徴を反映した作品の一つです。

「リハーサル」
（1874年頃）

画面左に大きく描かれた螺旋階段が描かれ、階段の下には大きなスペースが取れており、いままでの西洋絵画ではない描写方法で日本の浮世絵の影響と思われます。

螺旋階段の対面には衣装直しを受けている踊り子が描かれていますが、体と顔の半分が画面からでてしまっており、このような描写も浮世絵の影響と考えられ、画面の右左で意識的に描かれているようです。

画面の斜め左半分は螺旋階段と床のみの描写となっています。

また、対角線で四分割した画面毎に画面を構成する主要なものが配置されており、鑑賞者の視線が順番に物や人物を巡るような構図となっています。