エドガー・ドガ 「ルーヴル美術館にて(カサット嬢)」

絵画

印象派の創設に大きくかかわったことから画家とされるエドガー・ドガですが、本作品「ルーヴル美術館にて(カサット嬢)」のように、パステル画を多用するなど他の画家とは違う作風となっています。

ドガのパステル画の作品を偶然パリの画商でみたメアリー・カサットは感銘をうけ、ドガに師事しドガから多くの影響を受け、当時では活躍が難しかった女性画家として活躍します。

ドガカサットは家族ぐるみで親交を深めていたようで、ルーヴル美術館へ作品鑑賞や研究のためよくカサットの妹リディアと訪れており、本作品はその一場面を描いた作品です。

本作品の場面は構成を変えるなどして複数制作されており、もともとはドガが企画していた雑誌の表紙を飾る予定だったようです。

作品 ルーヴル美術館にて(カサット嬢)

エドガー・ドガがルーヴル美術館へ一緒に訪ねたメアリー・カサットとその妹リディア・カサットを描いた作品です。

ルーヴル美術館にて(カサット嬢)
1879年

1879年
エドガー・ドガ
「ルーヴル美術館にて(カサット嬢)」
個人所蔵

左で杖をついて作品を鑑賞しているのがメアリー・カサット、座ってガイドブックの様なものを見ているのがリディア・カサットです。

メアリー・カサットは背を向けて描かれ、リディアはガイドブックが顔が隠れているように描かれ、二人の顔は描かれていません。

ドガの作品に登場する多くの女性があまり表情をはっきりと描かれていないのと同じように、本作品でも描いていないのかもしれません。

女性二人の背景は当時のルーヴル美術館のある一室だと思われますが、作品の額と腰かけ用の長椅子で直線的な描写がされています。

女性二人は直線的な背景に斜めの配置となるように描かれ、画面の構成のバランスがとられています。

本作品は、ドガが企画して、カサットの他、ピサロなどが参加する予定だった雑誌の表紙を飾る予定でしたが、ドガは企画を中止してまい、雑誌の表紙となることはありませんでしたが、ドガは本作品を気にいっていたようで、違う構図、違う制作方法にて複数の作品を制作しています。

(参考)版画「ルーヴル美術館考古展示室にて、メアリー・カサット
1879-1880年

1879-1880年
エドガー・ドガ
「ルーヴル美術館考古展示室にて、メアリー・カサット」
横浜美術館蔵(日本 横浜)

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