エドガー・ドガ 「レース前のジョッキー」

絵画

印象派の画家でバレエの踊り子を作品を多く制作した印象が強いドガですが、バレエの踊り子同様に競馬の様子を描いた作品も多く制作しています。

当時、イギリスからフランスに入ってきた競馬は上流階級の娯楽として人気が出て、ガも好んで観戦していたようです。

本作品「レース前のジョッキー」ではドガの特徴でもあるパステルを利用しているとともに、油彩とテンピン油とを混ぜて描くという実験的な試みを行っています。

また、左右非対称な画面は日本の浮世絵からの着想と考えられています。

作品 レース前のジョッキー

西洋絵画としては、異質な左右非対称の構図で描かれるとともに、描写の対象物の前にポールを描くなど西洋絵画にはない構成となっています。

レース前のジョッキー
1879年

1879年
エドガー・ドガ
「レース前のジョッキー」
バーバー美術館蔵(イギリス バーミンガム)

ドガの競馬の作品はスタートまえの静かで緊張感がある様子を描いた物が多いですが、本作品でも静かな様子が伺えます。

左右非対称で、主要な対象物の前に障害物を描いた構図は非常に斬新で、当時の常識に挑戦するような試みでした。

この挑戦的な構図は、ドガが愛好していた日本の浮世絵の影響が強いと考えられます。

特に月岡芳年の作品「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」に類似性が高い作品あり、もしかすると着想を得ているのかもしれません。

天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」(月岡芳年

左右非対称、ポールの描写、左上の球体の描写は非常に類似しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました