印象派の創設からのメンバーで、印象派に大きな影響を与えた画家エドガー・ドガの作品「三人の踊り子」です。
屋外で作品の制作を行い、陽の光の移り変わりや川や海の水面の様子などを表現しようとした多くの印象派画家に対してドガは、屋内での作品制作を行い、陽の光や水面の様子という作品はほとんど制作しませんでした。
屋内の様子を描いたドガですが、特にバレエの踊り子を描いた作品を多く制作しており、本作品もそのなかの一枚です。
作品 三人の踊り子
裕福な家庭に育ったドガは、オペラ座の会員になっておりオペラ座の舞台裏や稽古場に出入りが出来ました。
バレエの踊り子の作品の多くは、その際に見た様子を描いたものだと思われます。
「三人の踊り子」
(1873年)
本作品「三人の踊り子」では、稽古場で稽古をするバレエの踊り子三人が描かれています。
それぞれの踊り子の顔は、描かれておらず表情は伺うことはできない描写がされています。
バレエ衣装は、筆跡を利用して質感が表現されています。
大きな窓から陽が入っていますが、稽古場は少し暗く踊り子が手を置く赤い手摺が外と稽古場とを明確に分けているようにも見えます。
当時のバレエの踊り子の地位は低く、踊り子たちは男性の支援者を見つけなければならない状況でもあったと言われます。
踊り子達の顔をあえて描かず、稽古場を少しくらい様子で描いた本作品は、当時の踊り子たちの境遇も表しているのかもしれません。
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