バレエの踊り子たちの様子を描いた作品を多く制作するとともに、印象派の創設にも重要な役割を担ったエドガー・ドガの作品「踊りの稽古場にて」です。
エドガー・ドガは、当時、パリで流行していた日本の浮世絵にも強い関心を持っており、自身の作品にも浮世絵の画面構成などを取り入れています。
本作品「踊りの稽古場にて」でも大きくスペースを空ける構成や人物を画面の淵で切ってしまうなどの構成は浮世絵の影響によるものと思われます。
本作品は日本の箱根にあるポーラ美術館に所蔵されています。
作品 踊りの稽古場にて
ドガが良く題材としてたバレエの踊り子たちの様子で、特にオペラ座の裏側で会員しか入ることが出来なかった稽古場での様子を描いています。
「踊りの稽古場にて」
(1884年頃)
横長の画面にパステルで描いた作品です。
画面の左半分は、鏡に映った踊り子の背中と床と壁のみの大きく開いた空間となっています。
画面には5人の踊り子が描かれていますが、全員が画面右側に集められており、西洋絵画ではみられない画面構成となっており、日本の浮世絵の影響と考えられます。
また、画面右では髪を上げた様子の踊り子の頭部だけが描かれており、人物を画面の端できってしまう構成も浮世絵からくるものとされています。
一人だけ青いドレスの踊り子が背を向けて描かれていますが、画面へのアクセント的な要素で配色されているようです。
また、踊り子の影なども青色にて表現しており、配色で画面全体の印象を軽くさせています。
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