第一回印象派展からのメンバーで印象派創設の主要人物でもあるエドガー・ドガの作品「オペラ座のオーケストラ」です。
自然光の表現を試みた印象派の画家たちに対してドガは屋内の描写を好み、特にオペラ座のバレエの踊り子などの様子を描いた作品を多く制作しています。
銀行家の裕福な家庭出身のドガはパリ・オペラ座にも通い、会員しかはいることが出来ない場所も入ることが出来たようです。
本作品では、管弦楽団をメインしてオペラ座の様子を描いています。
作品 オペラ座のオーケストラ
本作品では、管弦楽団を中心に舞台上の踊り子、観客席と3つのエリアで構成されています。
「オペラ座のオーケストラ」
(1870年)
ドガは本作品の完成後、側面と上部を切断したことが分かっており、ハーブとコントラバスが後から書き加えられており、ドガは本作品の構図や構成を熟考したようです。
また、奥のボックス席から観劇している人物も後から加えられた人物で作曲家のエマニュエル・シャブリエと分かっています。
管弦楽団の人物の多くが誰か判明しており、中央でバスーンという楽器を吹いている人物は、本作品の以前の所有者デジレ・ディオーとい人物です。
デジレ・ディオーの背後でチェロを演奏しているのはピレという人物で、ドガはディオーとピレと友人だったようです。
踊り子の描写
本作品中の踊り子の描写は下半身だけが描かれるという大胆な構図になっており、日本の浮世絵の影響とも言われています。
また、下から上に向けられた光によって踊り子たちが浮かび上がったような描写になっており、自然光ではなく人工の光による幻想的な様子にドガは興味を惹かれていたことが分かります。
また、下から照らされた踊り子たちと管弦楽団の対比が強く印象付けられています。
本作品で、踊り子はチュチュという衣装を着ていますが、この後、ドガが踊り子を描く際に描いた衣装で、本作品で初めて登場しています。
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