ポール・ゴーギャンと共に、輪郭をハッキリと描き、影や遠近法を排除して対象物を単純化して描く総合主義(クロワニズム)の創始者のエミール・ベルナールの作品「蕎麦の刈り入れ」です。
「蕎麦の刈り入れ」はベルナールの「草地のブルターニュの女たち」の対の作品ともされ、「草地のブルターニュの女たち」と共に、総合主義の代表的作品とされています。
祭り期間中のブルターニュの女性たちを黄緑の草地を背景に描いた「草地のブルターニュの女たち」に対して、秋を表現する朱色を背景に蕎麦の収穫に努めるブルターニュの人々を本作品「蕎麦の刈り入れ」で描いています。
ベルナールとゴーギャンは共に協力し総合主義へと作品を発展させましたが、どちらが創始者か争い、仲たがいしてしまっています。
作品 蕎麦の刈り入れ
本作品はフランス北西部のブルターニュ地方の人々が蕎麦を刈り入れている様子を描いた作品です。
独特の文化をのこし守っていたブルターニュには、生活費が安かったこともあり、当時、若い画家が集まり作品を制作しました。
「蕎麦の刈り入れ」
(1888年)
本作品は「草地のブルターニュの女たち」と対とされ、総合主義の代表的作品とされています。
「草地のブルターニュの女たち」
(1888年)
人物の輪郭をハッキリと描き、影を描かいていせん。人物の表情も単純化しています。
人物の大小によって若干遠近法が見られます。
ベルナールは、総合主義の創始者においてゴーギャンと対立、その後も和解することはありませんでした。
ベルナールは、当時のポスト印象派の画家たちとも広く親交があり、ゴッホは「草地のブルターニュの女たち」の模写を、ロートレックはベルナールの肖像画を描き、セザンヌとは手紙のやりとりをしています。
コメント