本作品「立ち話」はピサロが51歳の時の作品で、第7回印象派展に出品された作品です。
当初、ピサロは風景画の作品を多く制作していましたが、人物画特に農村で働く人々の様子を描くことが多くなり、本作品も人物画への移行期の作品とされます。
農村やそこで働く人々を描いたピサロですが、本作品を含めて農民画家として有名なジャン=フランソワ・ミレーの模倣と非難されたようです。
本作品は東京の国立西洋美術館に所蔵されています。
作品 立ち話
ピサロが風景画から人物画へ移行している時期の作品で、特に好んで農民の様子を描いており、本作品もそのような作品の一枚です。
「立ち話」
(1881年頃)
柵を間に、立ち話をしてる農婦二人の様子を描いています。
当初、左の農婦の両足が描かれていましたが、片足を曲げて体重を柵に任せるような姿勢に書き直されています。
当時は、農民画家ミレーの模倣との批判をうけてしまいますが、画面全体は細かな筆触で描かれており、ミレーが描く威厳のある農民の様子とは違った、優しく明るい印象を受けます。
「落穂拾い」(ジャン=フランソワ・ミレー)
(1857年)
また、意図的に斜めに少し曲がっているように描かれている柵がより現実的な農村の様子を感じさせます。
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