16世紀後半~17世紀初期に活躍し、明暗対比などその後のバッロク絵画に大きな影響を与えたミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの初期の作品で自画像です。
ちょうど自身が病気にかかり6ヵ月ほど入院した際に描いた自画像で、作品中の描写も病気の影響があるとされています。
人物と果物を同時に描き肖像画と静物画を同一の作品として描き、自身の技術の高さを証明して、画家としての売り込みに利用しようとした作品とも言われています。
バッカスとはローマ神話のワインの神様で、カラヴァッジョは他の作品でも描いています。
作品 病めるバッカス
病気を患い入院中に描いた自身の自画像で、表情などに病気の影響が描かれているとされています。
「病めるバッカス」
(1593年頃)
自画像である自身の肌の色は黒ずんでおり、黄疸がみられることからマラリアを患っていたのではないかと言われています。
一緒に描かれて果物も緻密に描かれているものの、その後の作品で描かれる果物と比べるとみずみずしさがありません。
病気が治ったの後の作品「果物籠を持つ少年」
(1593年頃)
カラヴァッジョの他の「バッカス」
(1596年頃)
他の2作の作品と比べると人物の肌の色や果物の描写があきらかに違うことがわかります。
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