18世紀 フランス革命前のロココ期の女性画家アデライド・ラビーユ=ギアールの作品です。
同時期に活躍した、同じく女性画家のヴィジェ=ルブランとは生涯ライバルのような関係でした。
ルブランがマリーアントワネットとの親交のもと王室の庇護下で活躍したのに対して、特に恵まれた環境下ではないギアールは、その画力でルブランと同じ年にアカデミー会員となります。
特に王族や貴族の肖像画を描く際には、モデルを美化、誇張することなく描いたことで評価を得たいたようです。
作品 弟子二人といる自画像
「弟子二人といる自画像」
(1785年)
本作品は、ギアールがアカデミーへの入会資格を得た2年後に制作されています。
大型のキャンパスの前でドレスを着て作品制作をしています。当時は女性が画家となるのは非常に難しく、またアカデミー会員も女性は4人までと決められていました。
本作品は、当時の社会やアカデミーの女性への差別的意識や体制に対して、皮肉をこめて大型のキャンパスの前で着飾っている自身の自画像や2人の優秀な弟子が女性であることを描いていると言われています。
2人の弟子
本作品に描かれた弟子の2人は画家として、その後活躍しています。
マリーガブリエル・カペー
ギアールの作品に見入っている弟子は、マリー=ガブリエル・カぺです。
自画像画が東京の国立西洋美術館で展示されています。
「1783年の自画像」
(1783年)
現存している彼女の作品は少なく、そのほとんどは個人所蔵となっているようです。
カロー・ド・ロズモン
ギアールの後ろでこちらに視線をおくっているのは、カロー・ド・ロズモンです。
ギアールは9人の女性を弟子としていましたが、カロー・ド・ロズモンはその美貌でしられており、本作品に描かれたようです。
23歳の若さで亡くなってしまっており、画家としての活動期間はとても短い期間でした。
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