印象派の代表的画家クロード・モネがキャリアの初期に描いた作品「かささぎ」です。
本作品は、後に妻となるカミーユと生まれたばかりの息子ジャンとともに一時期暮らしたノルマンディー海岸近くのエトルタで制作されました。
一面の冬景色を描いた作品で、光に照らされた雪の影を青く描くなど、光の描写を意識していたモネにとっても意欲的な作品であったと思われます。
本作品はサロンに出品されてましたが落選しており、まだ、当時の画壇では受け入れられない描写だったようです。
本作品の5年後、モネは印象派が世間に知られるきっかけとなる作品「印象、日の出」を発表しています。
作品 かささぎ
題名のかささぎとは、世界各地に比較的分布している鳥のことで本作品では一面の雪景色のなかでアクセントとして描かれています。
「かささぎ」
(1868-1869年)
静けさが漂う白を基調とした中間色で描かれた作品のなかでアクセントとして黒いかささぎが描かれています。
大ぶりな筆跡によって雪質、青色で表現した雪の影など細かく雪が反射する光の様子を描こうとしていることが分かります。
また、本作品に描かれている家には窓がえがかれておらず、意図的に水平線は人工物、垂直線は木々としているようにも思われます。
かささぎが止まっている木戸は、水平線を強調しているようにも見えます。
本作品は、サロンに落選してしまいましたが、その後のモネの作品へと繋がる意欲や技法が見て取れる作品であり、その後の印象派へとつながる作品となっています。
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