クロード・モネ 「ひなげし」

絵画

印象派の代表的画家クロード・モネの作品「ひなげし」です。本作品は、印象派の名前の元になった「印象・日の出」とともに第一回印象派展に出品された作品です。

モネがパリ北西から10kmほどのアルジャントゥイユに滞在していた時期に制作した作品のひとつです。

作品中の母子は、モネの妻カミーユと息子のジャンと言われています。

アルジャントゥイユ郊外でひなげしの花が咲く丘をカミーユとジャンが下っている様子と丘の上に佇む別の母子が描かれています。

二組の母子が描かれた構図は友人で共に印象派を発展させたルノワールの「草原の坂道」との関連性が議論されています。

作品 ひなげし

アルジャントゥイユでの妻と息子の様子をモネは複数作品に残しています。

本作品は夏のアルジャントゥイユで妻カミーユと息子ジャンはひなげしが咲く丘を歩くのどかな様子が描かれています。

ひげなし
1873年

1873年
クロード・モネ
「ひげなし」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

息子のジャンが被る赤く縁取りのある麦わら帽子は、他の作品「散歩、日傘をさす女性」「昼食」でもジャンが被っています。

昼食
1873年

1873年
クロード・モネ
「昼食」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

散歩、日傘をさす女性
1875年

1875年
クロード・モネ
「散歩、日傘をさす女性」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

本作品では、妻と息子の他に別の母子が丘の上に描かれています。

服の色や、子供の帽子の違いからカミーユとジャンとは違う別の母子だと思われますが、カミーユとジャンが奥から手前に歩いてきたことを異時同図法で描いたという説もあります。

また、友人であるピエール=オーギュスト・ルノワールが同時期に似たような作品を描いており、その作品でも同じような母子が坂道の上に描かれています。

草原の坂道(夏の田舎道)」(ピエール=オーギュスト・ルノワール
1874年

1874年
ピエール=オーギュスト・ルノワール
「草原の坂道(夏の田舎道)」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

友人でカミーユやジャンも描いたいたルノワールは、モネの「ひなげし」を見て、「草原の坂道」を描いたのかもしれません。

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