印象派主義の巨匠クロード・モネの作品「アルジャントゥイユのレガッタ」です。印象派展によってモネなどの若手画家たちが印象派として呼ばれる2年前の作品です。
アルジャントゥイユはセーヌ河右岸の地域でモネは1871年から1878年の7年間暮らした住み多くの作品を制作した地です。
当時はセーヌ河が拡張されたことによりヨットやボートが人気を得ており、レースも行われるようになりパリと鉄道で結ばれたことから多くの人が訪れてレースを観戦していたようです。
本作品は、モネがその後発表して印象派の名称のもととなる「印象・日の出」で表現した水が光を反映する様子の描写へつながる作品です。
作品 アルジャントゥイユのレガッタ
本作品の題材となっているアルジャントゥイユは当時はパリ市民の憩いの場として多くの人々が訪れ、特にボートなどのセーヌ河での活動が人気でした。
モネのほか、エドアール・マネ、ルノワール、ピサロ、シスレーなど多くの画家が訪れて作品を制作しています。
それらの画家たちは、時にはアルジャントゥイユで一緒に作品制作もしていました。
「アルジャントゥイユのレガッタ」
(1872年頃)

クロード・モネ
「アルジャントゥイユのレガッタ」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)
本作品は基本的にヨットの黄色、2件の家の赤色、空ろ水面の青色、岸辺の緑色の四色の構成で描かれていますが、ヨットを中心に陽が全体を照らしながら日がしずむ夕方の様子を感じることができます。
また、その後のモネの表現につながる水面にボートや岸辺の家が反射しなが水がゆらいでいる様子が描写がされています。

大ぶりな筆跡で揺らぐ水面を表現しており、その後の「印象、日の出」につながる表現です。
「印象・日の出」
(1872年)

クロード・モネ
「印象・日の出」
マルモッタン・モネ美術館蔵(フランス パリ)
作品「アルジャントゥイユのレガッタ」は、完成後、画家で友人のギュスターヴ・カイユボットが購入、カイユボット死後にカイユボットの遺言により国に遺贈されています。

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