グランド・ジャット島とは、パリから北西に1.5kmほどのセーヌ河に浮かぶ中州のことで、19世紀半ば以降からパリの人々にとって舟遊びなどをする行楽地として人気となりました。
また、新印象派のジョルジュ・スーラの作品「グランド・ジャット島の日曜日の午後」で有名な島です。
スーラと同時代のモネもグランド・ジャット島を題材に複数の作品を制作しており、本作品はその内の一つです。
本作品は箱根のポーラ美術館で鑑賞することができます。
作品 グランド・ジャット島
19世紀半ばは、産業化が進み中産階級が増えるとともに鉄道も発達し、パリ市民も郊外の行楽地へ行くことができるようになりました。
一方で、郊外には工場が立てられていき郊外ののどかな風景も変化している時期でした。
「グランド・ジャット島」
(1878年)
前面にはセーヌ河と河岸の散歩道、そこを歩く人々が描かれている一方で、奥には煙を吐く煙突や向上が描かれています。
当時、急速に進む産業化と郊外ののどかな風景を対比しています。
散歩道の人々は簡易的に描かれ、鑑賞者へセーヌ河や河岸の木々と工場や煙突の対比を意識づけているようです。
グランド・ジャット島はジョルジュ・スーラの作品「グランド・ジャット島の日曜日の午後」で有名ですが、モネと同じような視点から描いた「アニエールの水浴」という作品があり、画風の違いを比較することが出来ます。
「アニエールの水浴」(ジョルジュ・スーラ)
(1884年)
コメント