19世紀、フランス印象派の名称の元となった作品「印象、日の出」の画家で、印象派の代表的画家クロード・モネの作品「サン・ドニ街 1878年6月30日」です。
普仏戦争がフランスの敗北で終わり、ナポレオン三世の帝政から共和制へと移行するなど、激動の中のパリで初めての国民の祝日が制定され、それを祝うパリ市民の様子を描いた作品です。
当時はパリ万国博覧会が開催されており、その記念もありフランス初の国民の祝日が制定されたようです。
帝政後の市民が集まることが禁止されていたこともあり、祝日は市民に大いに歓迎されたようで、本作品からもその興奮が感じられます。
作品 サン・ドニ街、1878年6月30日の祝日
1878年当時、モネは経済的理由から長年作品制作をしていたアルジャントゥイユをはなれ、パリに数か月間仮住まいしていました。
そんななか、国民初の祝日が制定され、多くのパリ市民が国旗を掲げ街に繰り出して祝う様子に出会い作品にしています。
「サン・ドニ街、1878年6月30日」
(1878年)
素早い筆跡で描かれ、風になびくフランス国旗様子が描かれているうえ、当時の市民の興奮も感じることが出来ます。
作品中、右手に大きく描かれている国旗には「VIVE LA FRANCE(フランス万歳)」と記載されています。
本作品は対角線で分けることが出来る4場面で構成されています。
左右は建物の壁にたなびくフランス国旗、画面上は空、画面下は、街にくりだした市民や万博の観光客が描かれています。
モネは本作品の他にも、同日のパリの別の場所の様子も描いています。
「モントルグイユ街、1878年6月30日」
(1878年)
モネは、サン・ドニ街、モントルグイユ街とも労働者階級の街での市民の興奮や喜びを描いています。
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