フランス印象派の代表的な画家クロード・モネは「昼食」という題名で2点の作品を制作しています。
1点は1868年にモネがフランスのエトルタに滞在していたときに制作、もう1点はモネがアルジャントゥイユで家を借りて暮らしていた時期に自身の家族の生活の様子を描いています。
1868年の「昼食」(朝食)
「昼食」
(1868年)
モネは本作品を1870年のサロンに出展したものの落選、1874年に自身も含む若手画家達で開催した第一回印象派展へ出展しています。
1870年のサロンの審査員を務めていた画家のジャン=フランソワ・ミレーやドビーニが本作品を評価したものの落選してしまったようで、ドビーニは抗議のため審査員を辞任しています。
当時は、宗教画、歴史画などが主要な作品で、生活の一部を描写した本作品は、サロンには理解されなかったようです。
食卓に座しているのは、後に妻となるカミーユと息子のジャンです。向いの空席はモネの席だと思われます。
窓にもたれ掛かっている女性は訪問客と考えられていますが、はっきりとはしていません。
本作品は朝食の場面を描いたともされ、作品名を「朝食」とされている場合もあります。
1873年の「昼食」
「昼食」
(1873年)
本作品は、モネの作品のなかでも比較的大きく縦160センチメートル、横201センチメートルあります。
1876年の第二回印象派展に出展し、1878年に画家で友人でもあるギュスターヴ・カイユボットが購入しています。
本作品も妻のカミーユと息子のジャンが描かれています。奥にカミーユは別の女性と歩いている様子が描かれ、作品の前面に積み木のようなもので遊んでいる息子のジャンが描かれています。
ジャンがかぶっている麦わら帽子は、他の作品「ひなげし」「散歩、日傘をさす女性」に描かれたものと同じものと分かります。
「ひなげし」
(1873年)
「散歩 日傘をさす女性」
(1875年)
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