フィンセント・ファン・ゴッホのキャリア初期の作品「ジャガイモを食べる人々」です。
ゴッホは、本作品を制作するにあたり習作を制作したうえリトグラフも制作しています。
パリに出て印象派などの影響を受ける前の作品で、ゴッホの特徴的な鮮やかな黄色や青色の配色は見られず全体的に暗い色彩となっています。
本作品は「馬鈴薯を食べる人々」「食卓に着いた5人の農民」とも呼ばれています。
作品:ジャガイモを食べる人々
「ジャガイモを食べる人々」
(1885年)
ゴッホは、当初、牧師になることを目指し炭鉱地帯で牧師として就労するなどして貧しい労働者の生活を身近に感じ、彼らに対して共感を受けていました。
本作品に対しては、暗すぎるとの批判もあり、ゴッホを支えた弟のテオもあまり評価していなかったようです。
作品の左側には若い男女がジャガイモにフォークをさしながら会話をしている様子です。
右側の年配の男女はカップにコーヒーのような物を注いで、飲んでいる様子が描かれており、中央に少女の後ろ姿を描いて左右を連結させる効果を持たせています。
本作品を制作するにあたり、ゴッホは習作を何作か描いています。
「ジャガイモを食べる人々(習作1作目)」
(1885年)
「ジャガイモを食べる人々(習作2作目)」
(1885年)
着想を得た作品
ゴッホは下層階級の人々の生活を描いたベルギー人画家シャルル・ド・グルーを評価しており、特に作品「夕食前の祝福」を賞賛していました。
「夕食前の祝福」
(1861年)
ゴッホは、グルーの「夕食前の祝福」から着想を得て「ジャガイモを食べる人々」を制作したのではないかとも言われています。
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