享楽的な絵画が流行った18世紀ロココ期の画家のシャルダンですが、一般市民の生活風景や静止画をおおく描きました。
本作品「ラケットを持つ少女」はシャルダンの代表作の一つで、「羽根を持つ少女」とも呼ばれています。
モデルの少女が誰かは判明していませんが、貴族の娘というよりは、中産階級の娘という印象です。
本作品は「カードのお城」という作品の対の作品と考えられています。
作品 ラケットを持つ少女(羽根を持つ少女)
本作品はシャルダンがよく描いていた子供をモデルにした作品の一つですが、少女の動きが止まっているような印象を受ける作品です。
「ラケットを持つ少女(羽根を持つ少女)」
(1737年)
少女の表情は緊張している様子で描かれていますが、動きは感じず人形のようにも見えます。
作品の少女は、球場の頭部、円錐形の体とスカートで描かれており、意図的に円状の形態で描かれているようです。
動きが止まっているような描写と何も描かれていない背景によって、少女の丸みを帯びたフォルムがより強調されている印象を与えています。
本作品「ラケットを持つ少女(羽根を持つ少女)」は「カードのお城」という作品の対の作品と考えられています。
「カードのお城」
(1737年)
カード遊びは、「快楽の儚さ」の表現として描かれることが多く「カードのお城」のカード遊びも儚さの寓意だと考えられます。
同様に「ラケットを持つ少女(羽根を持つ少女)」がこれから遊ぼうとしているラケット、羽根も「快楽の儚さ」を表していると言われています。
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