優美な描写を行うロココ美術全盛の18世紀フランスで静物画や一般の人々の様子を写実的に描いた画家ジャン・シメオン・シャルダンの作品「お茶を飲む女性」です。
歴史画や宗教画に重きをなしていた当時の美術界でも彼の作品は評価受け、フランス美術界でも要職を務め、当時のフランス王室からルーヴル宮殿内にアトリエ兼住居を与えられていました。
「日除けを被る自画像」
(1775年)
お茶を飲む女性
シャルダンの作品らしく静かで落ち着いた印象を受ける作品です。
「お茶を飲む女性」
(1735年)
女性がスプーンでお茶をかき混ぜている様子が描かれています。
ティーポット、ティーカップの他、女性の服装など曲線が多用されていますが、作品全体は落ち着いた印象を受け、静寂な場面であることを認識させられます。
本作品は鉄壁の構図で描かれていると言われ、絵画の教科書などでもよく取り上げられる作品のようです。
鉄壁の構図
本作品は、まず女性が綺麗に三角形に収められています。
スプーンでお茶をかき混ぜていますが、あまり動きを感じさせず静粛な感じを受けます。
さらに三角形の頂点から下に引かれる直線状に曲線が集まるような構図になっています。
曲線を多く多用しながらも作品に秩序をもたせ、視線は女性に集中するように考えられています。
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