シャルダン 「シャボン玉遊び」

絵画

18世紀フランス ロココ全盛期の画家ジャン・シメオン・シャルダンの作品「シャボン玉遊び」です。

シャボン玉吹き」とも呼ばれている作品。シャルダンのキャリア初期の作品とされています。

現在、同作品は3点現存していますが、シャルダンは4点制作したと考えられており、最初のオリジナルが失われたと考えられています。

甘美なロココ調が全盛期のなか、シャルダンは自然主義的な作品を制作し人気を得ました。

本作品においても、日常の様子を描いた作品で、サロンに入選し好評を得たと言われています。

作品 シャボン玉遊び

シャルダンは、子供が遊ぶ様子を描いた作品を多く制作しています。

本作品もその一つですが、シャルダンはシャボン玉で儚さや虚しさを表現しているとの意見もありますが、シャルダンが意図したかは定かではありません。

シャボン玉遊び
1733-1734年頃

1733-1734年頃
ジャン・シメオン・シャルダン
「シャボン玉遊び」
メトロポリタン美術館蔵(アメリカ ニューヨーク)

作品内では登場人物で三角形を形成させており、作品に落ち着きをもたせています。

シャボン玉を膨らませる少年の視線とその後ろでうらやましそうに見ている少年の視線が、ストローの先端に集められ、日常の様子を描いた作品に緊張感を与えていると言われています。

現存する他2点と失われた最初の作品

シャルダンは本作品「シャボン玉遊び」を全く同じ構図で4点制作したとされ、3点の現存が確認されていますが、現存する3点は最初のオリジナル作品ではないとされています。

シャボン玉遊び」(ワシントン ナショナル・ギャラリー蔵)
1733-1735年頃

ジャン・シメオン・シャルダン
「シャボン玉遊び」
ナショナル・ギャラリー蔵(アメリカ ワシントンD.C.)

シャボン玉遊び」(ロサンゼルス カウンティ美術館蔵)
1733-1735年頃

ジャン・シメオン・シャルダン
「シャボン玉遊び」
ロサンゼルス カウンティ美術館蔵(アメリカ ロサンゼルス)

シャルダンが本作品制作後、1739年のサロンに出品し好評を得たことこらすぐに版画にされ雑誌に掲載されたましたが、現存する版画は現存する3点と異なる箇所があるため、版画が現存する3点からのものではないことから、最初のオリジナルでは無いことが判明しています。

シャボン玉遊び」の版画(版画の為、左右は反転しています)
1739年

1739年
ピエール・フィユール
「シャボン玉遊び」の版画
メトロポリタン美術館蔵(アメリカ ニューヨーク)

シャボン玉を膨らます少年が肘をついているところの下にはレリーフのような模様がありますが、他3点には描かれておらず、一方で木や葉などは描かれておりません。

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