歴史画のほかオリエンタルの人々の様子を描いた作品が有名なジャン=レオン・ジェロームの作品です。
本作品は、1857年にサロンに出品して好評を得ました。
また、1867年のパリ万国博覧会に出品されグランプリを受賞しています。
作品 仮面舞踏会の後の決闘
20世紀初頭まで欧米では決闘の文化がのこっていました。
決闘には厳格な作法が決められていて、第三者的な証人をつけることも決められていたようです。
本作品では、いろいろな衣装に身を包んだ人々が描かれ、仮面舞踏会が行われた後の様子であることが伺えます。
「仮面舞踏会の後の決闘」
(1857-1859年)
ピエロの仮装をしていた若者が決闘に敗れたようです。胸には赤く血がにじみ出ている様子が描かれており、重症のようです。
当時、ピエロは純粋無垢でロマンティックなイメージで、成功を夢見る芸術家や哀れな恋をする男の象徴でした。
ピエロの仮装をした若者が決闘で敗れた様子で、儚さを印象づけられます。
勝者が立ち去るところも描かれていますが、喜びはなく友人に慰められているようです。
背景には彼らを待っている馬車が描かれており、勝者はそちらに歩いて向かっています。
ジェロームは、パリのブローニュの森で実際に行われた決闘から着想を得て、制作されたようです。
徹夜で行われた華やかな仮面舞踏会、舞踏会でのささいな事で決闘となってしまったのか、作品中の全ての人々が後悔するようなこととなった対比が表現されていると思います。
人気を得た本作品はジェローム自身も何点かのレプリカを作成しています。
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