ジョルジュ・スーラ 「サーカスの客寄せ」

絵画

点の集合による配色により色と色が交じり合わない描写を行う点描描写を確立させてジョルジュ・スーラの作品「サーカスの客寄せ」です。

サーカスのパレード」とも呼ばれています。

それまで屋外の描写が多かったスーラですが、夜のガス灯の弱い光の下の人物を点描で描くことを試みた作品です。

また、本作品は実際にパリで興行を行っていた”コルヴィ・サーカス”というサーカス団がパレードをして客寄せをしていた様子を描いています。

作品 サーカスの客寄せ

ガス灯の下のサーカス団の人々や観客は平面的に描かれており、中央のトロンボーンを奏でる人物や観客の陰のみで遠近を表現しています。

サーカスの客寄せ
1888年

1888年
ジョルジュ・スーラ
「サーカスの客寄せ」
メトロポリタン美術館蔵(アメリカ ニューヨーク)

中央のトロンボーン奏者と隣にいる少年、観客、画面左の葉のない木が鑑賞者から見て光の影になっているように描かれています。

奥のトランペット奏者や画面右のサーカス団の団長と思われる男性は光が当たった様子で描かれており、トロンボーン奏者がガス灯の前にいることが分かります。

代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のように、陽の光の下の人物描写が多かったスーラですが、本作品ではガス灯の弱い光の下の人物描写に取組んでいます。

グランド・ジャット島の日曜日の午後
1884-1886年

1884-1886年
ジョルジュ・スーラ
「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
シカゴ美術館蔵(アメリカ シカゴ)

ガス灯の弱い光の下、ぼんやりと浮かび上がるような人物描写は、点描描写の可能性を広げた作品と言えます。

また、平面的で遠近が人物への光の影のみで描写されており、点描描写による配色も加わって鑑賞者には不思議な感覚を与える作品となっています。

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