ジョン・エヴァレット・ミレー 「古来比類なき甘美な瞳」

絵画

19世紀のアカデミックな美術界はルネサンス期のラファエロ・サンティの画風を良しとして、それ以外の表現を認めないと言う風潮でした。

そのことに反発した若き画家達から印象派やミレーのようなラファエロ前派が生まれてきました。

ラファエロ前派はラファエロ以前の中世や初期ルネサンスのような明るく鮮やかな色彩、細密描写などによる作品制作、人物、自然などを忠実に描写することを試みました。

本作品「古来比類なき甘美な瞳」も細密で人物を写実的に描写しています。

作品名「古来比類なき甘美な瞳」はイギリスの女性詩人エリザベス・バレット・ブラウニングの詩からの引用です。

作品 古来比類なき甘美な瞳

古来比類なき甘美な瞳」という作品名と写実的に描かれた作品から、鑑賞者にいろいろな解釈や印象をもたらす作品となっています。

古来比類なき甘美な瞳
1881年

1881年
ジョン・エヴァレット・ミレイ
「古来比類なき甘美な瞳」
スコットランド国立美術館蔵(スコットランド エディンバラ)

画面中央に少女を配置し、中心部付近が一番光があたり明るくなっているような描写で、構成はとても基本的な構成となっており、鑑賞者の視線が少女に集中するようになっています。

鑑賞者は、まず少女の顔に視線が行き、遠くを見つめるような少女の視線や表情に鑑賞者それぞれに違った印象をうけます。

本作品は、少女の他に花が大きな役割を担っています。

少女は小さな花柄のブラウスを着ており、スカートは大き目な花柄、そして手にしている籠には摘まれたスミレの花が入っています。

下に行くほど、花が大きくなっていきます。

また、少女の後ろにある野の花には光があったっており、一人佇む少女を投影しているようにも思えます。

画面上には少女と花しかなく、作品の解釈や印象は鑑賞者に委ねられている作品となっています。

【楽天ランキング1位入賞】単眼鏡 美術館モデル 4×12 アーツモノキュラー メガネ対応 美術鑑賞向き ケース & ネックストラップ付

価格:4580円
(2024/10/8 14:04時点)
感想(13件)

コメント

タイトルとURLをコピーしました