フィンセント・ファン・ゴッホの最晩年の作品で、ゴッホが敬愛していたバルビゾン派の画家シャルル=フランソワ・ドービニーの邸宅の庭を描いた作品です。
ゴッホが亡くなる前の2ヵ月間を過ごした旅館の近くに邸宅がありました。
同じ名前で作品が3点描かれており、内2点は構図も同一のものとなっています。
バーゼル市立美術館蔵 ドービニーの庭
一枚目に制作されたとされる作品は、スイスのバーゼル市立美術館に所蔵されています。
「ドービニーの庭」
(1890年7月)
本作品には、中央にドービニーの未亡人、左下に黒猫が描かれており、右下にフランス語で作品名が記されています。
中央の描かれた未亡人
左下に描かれた黒猫
フランス語で記された作品名
ひろしま美術館蔵 ドービニーの庭
バーゼル市立美術館所蔵の作品と同名で同じ構図の作品が日本のひろしま美術館が所蔵しています。
2つの作品はほぼ、同時期に制作されたと考えられています。
「ドービニーの庭」
(1890年7月)
ひろしま美術館所蔵の作品には、バーゼルバージョンに描かれている黒猫が描かれていません。
現在、エックス線調査などにより、理由は不明ですが、黒猫が後世に塗りつぶされた事が判明しています。
同名で別構図の作品
「ドービニーの庭」
(1890年6月半ば頃)
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