17世紀オランダ黄金期の画家ハブリエル・メツ―の作品「手紙を書く男」です。
ヨハネス・フェルメールをはじめオランダ黄金期の画家達は”手紙”を題材にした作品を多く制作しています。
”手紙”を題材にした作品の主人公は女性が描かれることが多いですが、本作品の主人公は男性となっています。
メツ―は、手紙を書いている男性に対して「手紙を読む女」という対作品を制作して鑑賞者たちに男女の物語を想像させています。
作品 手紙を書く男
画面左の窓から陽が差し込み人物を照らす構成は、同時代に活躍したピーテル・デ・ホーホやヨハネス・フェルメールの影響をうけていると分かります。
「手紙を書く男」
(1664-1665年)
窓から入り込む陽が男性を照らすとともに、背後の壁や画中画を照らし画面全体が明るく、暖かい印象となっています。
画中画はメツ―と同時代にオランダで活躍した画家ヤコブ・ファン・デル・ドゥースの風景画とされています。
男性の手元にはペルシャ絨毯のテーブルクロスや銀製の筆記用具などが詳細に描かれております。
対角線上の男性の体で、画中画に描かれたのどかな田園風景と赤色のペルシャ絨毯と筆記用具等が対比されているように見えます。
メツ―は本作品の対の作品として「手紙を読む女」という作品を制作しており、両作品で物語を完成させています。
「手紙を読む女」
(1665-1667年)
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