17世紀のオランダ黄金期の画家ピーテル・デ・ホーホの作品「中庭で喫煙する男と飲酒する女」です。
デ・ホーホはヨハネス・フェルメールと同時代、同地区で活躍した画家でお互いに影響しあったと言われており、お互いの作品にも影響がみれます。
本作品「中庭で喫煙する男と飲食する女」もフェルメール作品「デルフトの小路」の影響があると言われています。
また、デ・ホーホは、本作品は同構図で「オランダの中庭」とい作品を制作しています。
作品 中庭で喫煙する男と飲酒する女
「中庭で喫煙する男と飲酒する女」
(1658‐1660年)
本作品で描かれているところどころ漆喰がはがれた壁の描写は、フェルメールの「デルフトの小路」を参考にしたと言われています。
「デルフトの小路」(ヨハネス・フェルメール)
(1657‐1658年)
本作品には、テーブルに向かってタバコを吸う男性、細いグラスでビールを飲む女性、二人を見て立っている子供が描かれています。
女性と子供は同じ青いエプロンをしています。当時、青いエプロンは召使が使うものと決まっていたため二人は召使であることが分かっています。
子供が持っているのは、タバコに火を着けるための赤く燃えた石炭が入った壺です。
本作品にはもともとは二人の男性が描かれており、後に塗りつぶされていることが判明しています。
デ・ホーホは同作品と同じ構図で「オランダの中庭」という作品を制作しています。
「オランダの中庭」
(1658‐1660年)
塗りつぶされた男性は、「オランダの中庭」で描かれている男性だと考えられています。
男性を塗りつぶしたのがデ・ホーホ本人か別の人物かは判明していませんが、柵にかけられてジャケットとテーブルの上のパイプが残されている描写が、他に誰かがいた描写となっています。
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