フィンセント・ファン・ゴッホが南フランス アルルでのポール・ゴーギャンとの短い共同生活を終え、精神を病んだとして入院した病院の中庭を描いた作品です。
「アルル病院の中の中庭」とも呼ばれています。
ゴッホは、この病院に1888年12月から18889年3月までに二度入院していますが、本作品「アルルの病院の庭」は退院した1889年4月に制作されています。
ゴッホらしい明るい黄色を基調にした色彩が強い作品ですが、当時のゴッホの精神状況を伺わせるような単純に明るい印象を与える作品とはなっていないようです。
作品 アルルの病院の庭
ゴッホが精神を病んだとして、2度入院した病院の中庭を描いた作品です。
「アルルの病院の庭」
(1889年)
作品の題材となった病院は現在も市立病院として運営されています。
構成上の都合からか中庭の中央の噴水が実際よりは大きく描かれているようです。
黄色い柱と青色の扉など実物にならった配色となっていますが、より暖色の黄色と寒色の青色を対比を強調するような彩色をしています。
現在も変わらず、噴水の周りは花壇となっていますが、ゴッホは中庭の描写と病院の建物の描写方法を明確に違いを持たせておりゴッホの当時の生への気持ちを表しているように感じます。
また、庭を囲むように描かれている木々と病院の柱も対比されているような印象です。
ゴッホは、この病院を退院後、アルルの生活の場であったアルルの黄色い家で住み続けることはできず、アルルから20kmほど北東のサン=レミの病院へ入院することとなります。
82%a7%e3%80%80%e3%82%b4%e3%83%83%e3%83%9b%e3%81%a8%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%ae%e3%83%a3%e3%83%b3/
コメント