ゴッホは、出身地でもあるオランダで、働く農民達を題材に作品を多く制作していましたが、画商の弟テオを頼ってパリに出ています。
本作品「レストランの内部」は、ゴッホがパリに出て描いた作品で、パリで出会った若い画家たちに大きな影響を受けて描いた作品です。
ゴッホがパリに出てきたのは、ちょうど最後の印象派展となる第8回印象派展が行われた年で、モネやルノワールのほか、新印象派と言われる点描描写を確立したスーラやシニャックの作品も鑑賞しており、本作品「レストランの内部」では、点描描写を試みています。
作品 レストランの内部
パリに出てきたゴッホは、印象派の画家たちの画風に大きく影響を受け、自身の画風がすでに古くなっていると感じます。
当時のパリの若い画家たちのいろいろな技法を取り入れて作品制作をおこなっており、本作品は点描描写を取り入れています。
「レストランの内部」
(1887年)
ゴッホがパリに来た年は、ちょうど最後の印象派展となる第8回印象派展が行われており、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックが出展しています。
ゴッホは点描描写とともに明るい色彩の彼らの作品に感銘を受け、自身でも点描にて作品を制作したのかもしれません。
「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(ジョルジュ・スーラ作)
(1884-1886年)
スーラほど細かい点描とはなっておりませんが、当時の最先端の技法を自身の作品に取り入れようとしているのが分かります。
点描を試している作品ですが、椅子やテーブルクロスは点描ではなく、伸びやかな筆跡のゴッホは、時間も要する点描描写はあまり好みではなかったのかもしれません。
構図はとても基本的な構図となっており、画面中心に花瓶と花を配置し、点描という当時最先端の技法を試みているものの、構図は基本的なものとして、画面に落ち着きを持たせています。
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