フィンセント・ファン・ゴッホが自ら命を絶つ約2ヵ月ほど前に描いた作品です。
精神を病んだゴッホはパリ郊外のオーヴェル=シュル=オワーズへ1890年5月に療養の為、移り住んでおり、本作品は同年6月16日のオーヴェル=シュル=オワーズの夜7~8時の風景が描かれている事が分かっています。
画面右上の大きく光輝く星が金星であるうえ、新月の夜で、金星が輝いていたことが科学的に判明しています。
また、ゴッホ自身も書簡で光輝く金星について述べています。
作品 夜の白い家
ゴッホの他の作品同様に夜空は鮮やかな青色で彩色され、そこに大きく光り輝く金星が描かれています。
「夜の白い家」
(1890年)
本作んは、科学的に制作された日時が判明しており、ゴッホが現場で数時間で制作したことが分かっています。
画面右上の金星の輝きが強く印象付けています。
家の前を歩く黒い服の女性が画面手前に描かれており、輝く金星と対比されているような印象も受けます。
単調な白い家の窓を一部、赤く配色しておりアクセントとなっています。また、中心を意図的に黒く配色しているようです。
ゴッホはオーヴェル=シュル=オワーズへ移り住んだ2か月後に自ら命を絶ちますが、その2か月間に多くの作品を制作しており、一作品にかける時間も短いものとなっていました。
本作品も現場で数時間で制作しており、細部に完成度にあまり重点が置かれていないことがわかる作品となっています。
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