ヨハネス・フェルメールの晩年の作品で、フェルメールの作風の転換期の作品とされています。
フェルメールの作品では珍しく右から光が入り込んでおり、女性の表情も朗らかです。
当時、絵画内の楽器は「愛」を象徴する物であり、フェルメールはよく作品に楽器を登場させています。
女性が視線を送っているは恋人かもしれません。
また、作品は人物ではなく背景の画中画にピントを合わせて描かれています。
作品 ギターを弾く女
フェルメールの最晩年の作品で作風が大きく変わり、フェルメール自身の転換期の作品とされています。
1672年にフランス軍がフェルメールが活躍していたオランダに侵攻し、オランダ美術市場やフェルメール自身の環境も大きく変わったようです。
「ギターを弾く女」
(1673-1674年)
風俗画を求めていた顧客の好みも変化しはじめ、その対応にフェルメールを含め当時のオランダの画家たちは苦慮していたようです。
簡略化された細部
本作品でフェルメールは背景の画中画にピントを合わせています。
他の作品(ヴァージナルの前に立つ女)の画中画と比較すると額縁の描写が簡略化しています。
「ヴァージナルの前に立つ女」の画中画
他にもギターの弦がぼけていたり、服の皺の表現が簡略化されていると言われています。
ギターの弦がぼやけているは、演奏中を表現しているとも言われています。
フランス軍の侵攻のほか、フェルメールの義理の母が体調を崩し、義理の母の代わりに貸した金の回収に忙しくなったとも言われ、それが簡略化の原因とも考えれれています。
簡略化された作風から、フェルメールの作品として真贋も疑われていた時期もあったようです。
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