オランダ黄金期の画家ヨハネス・フェルメールが描いた作品で彼の作品のなかでももっとも小さい作品とされています。
編み物をしている女性の手元にピントを合わせ、まわりをぼやかして描く、当時ではあまり用いられていない技法で描かれています。
また、背景は白一色の壁とすることで、鑑賞者の視線を女性に集中させています。
作品:レースを編む女
フェルメールの作品中で最も小さい作品で縦24.5×横21cmしかありません。また、フェルメールの最高傑作とも言われています。
「レースを編む女」
(1669-1670年頃)
作品は、女性の手元にピントを合わせ徐々に周囲をぼやかして描いています。
女性の手元は非常に詳細に描かれている一方で、ソーイングクションからこぼれ出る白と赤の糸は、液体のようにぼやかされています。
女性の手元とは対照的な描き方がされています。
女性の表情や髪の描写もフェルメールの他の作品と比較すると、簡単に描かれているようです。
他画家の作品との比較
当時はレースを編む姿は女性の美徳の象徴とされ良く描かれており、そんな社会背景もありフェルメールも本作品を描いたと考えれます。
同時代の画家カスパル・ネッチェルが描いた「レースを編む女」がよくフェルメールの「レースを編む女」と比較されます。
「レースを編む女」
(1662年)
ネッチェルは、対象を後方から遠目で描いており、当時はこの描き型が一般的でした。
フェルメールは前景をぼやかして描き、明暗をあまり使用しない描き方で「レースを編む女」を描き、自身の芸術性の高さを表現したと言われています。
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