ヨハネス・フェルメールの作品と推定されている作品「赤い帽子の女」です。
フェルメールの作品との意見が多いのですが、真贋はまだ、確定していません。
フェルメールの作品とすると、とても珍しくカンヴァスではなく木製のパネルに描かれています。
また、作品自体もとても小さく22.8cmx18cm ともとも小さな作品の多いフェルメールのなかでも特に小さい作品となっています。
本作品は20世紀にはいって発見されたうえ、作品についての記録がまったく無いことから真贋の議論が現在も続いています。
赤い帽子の女
「赤い帽子の女」
(1665-1666年)
少し男性的にも見える女性の顔はフェルメールの自画像ではないかとの説もあります。
1640年にレンブラントが大きな帽子を被り、こちらを振り向くような体制の自画像を制作しており、レンブラントの作品を参考に自身を女性に似せて描いたとの説です。
「34歳の自画像」
(1640年)
作品内の表現
赤い帽子
まず、作品で目を引くのが赤い大きな帽子です。赤い顔料を筆跡の荒さを残して帽子の毛羽たちを表現しています
光が当たった唇と耳飾り
帽子で顔の半分以上は影になっていますが、唇と耳飾りに光が当たっています。
唇は光の表現の効果で少し湿っているようにも見え、鑑賞者の視線を誘導しています。
耳飾りは、フェルメール作品でもよく登場するモチーフです。
右耳の耳飾りは、通常だと光が当たらないのですが、「真珠の耳飾りの少女」のように光が反射しているように描かれています。
青い服
赤い大きな帽子に対して画面下の大部分が青い服で占めています。
光沢のある表現をしていますが他の作品と比較して大雑把に描かれており、この点も真贋の議論の理由となっています。
署名
真贋を議論されている作品ですが、フェルメールの署名が記されています。
本作品は、X線調査によって元は男性の肖像画が描かれていたものを塗りつぶしてその上に描かれていることが判明しています。
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