17世紀オランダ黄金期を代表する画家フランス・ハルスの作品「ジプシー女」です。
ハルスは一時期、人々の人々の豊かな表情を描写した作品を多く制作し、本作品「ジプシー女」はその中でも代表的作品です。
筆跡により、作品に動きを与え、人物には活力をあたえる技法がハルスの人物描写の特徴です。
本作品のモデルは不明ですが、胸の描写から娼婦的な人物の描写ではないかと言われています。
作品 ジプシー女
本作品の題名「ジプシー女」とは1870年頃に付けられ、それ以降、本作品の題名として定着しているようです。
「ジプシー女」
(1628‐1630年)
作品のモデルは不明ですが、はだけた胸の描写から娼婦的な女性ではないかとされています。
当時の画家は、そのようなモデルを描く場合、官能的な美しさを描くのですが、ハルスは女性の無邪気な笑顔と親しみやすい様子をハルスの特徴の速記的筆跡で描写しています。
ハルスの特徴は、一気に絵の具を画面に残すような技法で筆跡を残しながら描くのですが、女性の胸の描写が修正されたのが分かっており、娼婦的な表現に躊躇していたと思われいます。
本作品の背景は下塗りが透けて見えるような処理が行われていますが、細部にこだわらないハルス特有のもので、より人物に活力をあたえる効果を与えているとされています。
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