17世紀オランダ黄金期の画家フランス・ファン・ミーリスの作品「真珠を繋ぐ女性」です。
ミーリスは同じオランダの画家でバロック絵画の巨匠レンブラント・ファン・レインの光と影の描写を継承しつつもオランダ黄金期の特徴の風俗画を多く描いています。
本作品「真珠を繋ぐ女性」を参考にしてヨハネス・フェルメールは「手紙を書く女」「女と召使」を制作したと考えれらます。
ミーレスは既に当時から人気画家として多くの貴族から注文をうけるような画家となり息子、孫も画家として活躍しています。
作品 真珠を繋ぐ女性
女性の服、テーブルクロスの詳細まで非常に丁寧に描かれた作品で、強い明暗対比のなか真珠を繋ぐ女性と奥に立っている女中が描かれています。
「真珠を繋ぐ女」
(1658年)
女性の衣服やテーブルクロスなど非常に精密に描かれています。
また、強い明暗対比により真珠を繋ぐ女性にのみ光があたり、奥の女中は意図的に目立たぬように描かれているようです。
対角線上に光が部屋に入り込んでおり、対角線の右上は暗闇のみのスペースとなっており明暗対比を強く印象付けています。
本作品の構図を参考にフェルメールは「手紙を書く女」と「女と召使」を描いたと考えられます。
「手紙を書く女」(ヨハネス・フェルメール)
(1666年)
「婦人と召使」(ヨハネス・フェルメール)
(1666‐1667年)
当時のオランダの画家たちは、お互いの作品をよく鑑賞し参考にしていたことが伺えます。
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