ポスト印象派と呼ばれ、平面的な描写で対象物を黒く太い枠で描くクロワゾニズムを確立したと言われるポール・ゴーギャンの作品「アリスカンの並木路、アルル」です。
本作品は、ゴーギャンがフィンセント・ファン・ゴッホと南フランスのアルルでの共同生活を始めたばかりの頃に描いた作品です。
アリスカンとはアルルの南東にある古代ローマの遺跡です。
(アリスカン)
アリスカンを題材にゴッホも複数の作品を制作しており、本作品「アリスカンの並木路、アルル」の反対側の風景を描いた作品が同時期に描かれていることから、ゴーギャンとゴッホが背中をむき合わせながら同時に描いた作品とも言われています。
作品 アリスカンの並木路、アルル
ゴーギャンがゴッホと共同生活をするためにアルルを訪れて間もなく描いた作品です。
「アリスカンの並木路、アルル」
(1888年)
アルルの南東にある古代ローマ遺跡アリスカンを題材にしていますが、主題は赤く色づいた葉や道となっています。
ゴーギャンは既にクロワゾニズムの画風により作品を描いていましたが、本作品の葉や道の描き方は筆跡を利用した印象派的な描写となっています。
同時期の他の作品と比較すると画風の違いがはっきりと分かります。
(参考)「アルルの老婦人」(ポール・ゴーギャン)
(1888年)
本作品の反対側の風景がゴッホによって描かれており、同時に二人が背中を向かい合わせて制作したと言われています。
(参考)「アリスカンの並木道」(フィンセント・ファン・ゴッホ)
(1888年)
本作品「アリスカンの並木路、アルル」は東京のSOMPO美術館に所蔵されており、ゴッホの「ひまわり」とともに鑑賞することができます。
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