ポール・ゴーギャン 「海辺に立つブルターニュの少女たち」

絵画

太い輪郭線、遠近法にとらわれない平面的描写、鮮やかな配色などのクロワニズムを確立した一人とされるポール・ゴーギャンの作品「海辺に立つブルターニュの少女たち」です。

ブルターニュは、フランス北西部の大西洋につきでた半島で、古代のケルト文化を残した地域で多くの画家が訪れていました。

ゴーギャンも南仏アルルでのゴッホとの共同生活が破綻した後、ブルターニュ地方を度々訪れており、多くの作品をのこしています。

本作品では、クロワニズムの表現でブルターニュの民族衣装を着た少女たちを描いています。

作品 海辺に立つブルターニュの少女たち

ゴーギャンは、ブルターニュの少女たちを太い輪郭で描き、背景の海辺の様子は遠近法をあまり取り入れずに平面的に描いており、クロワニズムの表現を本作品でもしています。

本作品は東京の国立西洋美術館が所蔵しています。

海辺に立つブルターニュの少女たち
1889年

1889年
ポール・ゴーギャン
「海辺に立つブルターニュの少女たち」
国立西洋美術館(日本 東京)

二人の少女を画面の中心からはずして描いており、当時、フランスで流行、多くの画家たちに影響を与えていた日本の浮世絵の構図の構成に影響をうけていると言われています。

一人の少女を中心に、背景ともう一人の少女を分けています。

少女たちの描写は、大きな手と裸足の足で描かれ、つらい労働を連想させられます。また少女たちが鑑賞者に向ける表情や視線も笑顔ではなく、寂し気に見えます。

背景に描かれている海辺や入り江の描写は平面的な描写で、簡易的な描写の印象も受けます。

画面に左に大きく描かれた二人の少女をより際立たせているように思えます。

ゴーギャンは、本作品の2年後にタヒチに向かい作品制作を行い、本作品の描写でクロワニズムを確立させていきます。

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